Sunday, July 30, 2006

KESジャーナルに投稿しました


KESジャーナルに論文を投稿しました。
検査・マーキング関連特許106件、請求項742項のテキストデータにHuman-Interactive Annealing手法を用います。
しかし、予備実験の結果を参考に、特許番号、発願年と発願者名を請求項にタグとして入れて、Event Map上に出現するクラスターの技術解釈をPictgramで行うだけでなく、技術の経年変化、特定技術に注力している会社名を分析することにより、謎ノードが連結するクラスターの技術を融合させて新たな特許技術の仮説の創発を誘発します。
今回は、1件の新たなシナリオが創発できました。

PatentMapの実験を分析している中で、請求項の多い会社がクラスターに現れると推測していましたが、請求項の少ない会社が3社現れて、特定術における3社の重要度が分かりました。これは、新たな発見でした。さらに、この発見の理由を解析していきたいと思います。


Title:Designing Patent Map for new scenarios by Human-Interactive Annealing with Pictogram
Author:Kenichi Horie, Yoshiharu Maeno, and Yukio Ohsawa
Abstract: Latent structure behind observation often plays an important role in the dynamics of visible events. Such latent structure is composed of invisible events named dark event. Human-interactive annealing is developed to visualize and understand dark events. This paper presents application of the human-interactive annealing with Pictogram for designing Patent Map to analyze classification of specific technology, core applicant for specific technology, and to create hypothetical scenarios for new patent technology. Pictogram aided not only to reinterpret the event map more precisely and deeply but also to create hypothetical scenarios for new patent technology.

Index Terms—Human-Interactive Annealing, KeyGraph, Pictogram, Chance Discovery, Patent Map

Saturday, July 29, 2006

2006 IEEE Data Mining for Design and Marketingに投稿しました

2006 IEEE Data Mining for Design and Marketingが12月に香港で開催されます。
本日、Human-Interactive AnnealingにPictogramを加えた手法で実験を行い、特許技術関する新たなシナリを創発を行う事が出来ました。その結果について論文を投稿しました。

Designing New Product Scenarios for Patent by Human-Interactive Annealing with Pictogram

Abstract— Latent structure behind observation often plays an important role in the dynamics of visible events. Such latent structure is composed of invisible events named dark event. Human-interactive annealing is developed to visualize and understand dark events. This paper presents application of the human-interactive annealing with Pictogram for designing new product scenarios for patent from latent technology structure behind current patented technology. Pictogram aided examinees not only to reinterpret the event map more precisely and deeply but also to create six new scenarios for paten. Two of them are novel scenarios and worthy of consideration for new patent application.

Tuesday, July 25, 2006

パテントマップの新たなアイデア




Human Interactive Annealinの手法を活用して、新たにパテントマップを作成してみた。
このマップにより、特定用途の特許における技術分類、各社の注力技術、経時的な技術又は会社注力度の変化を分析できる。
従来のパテントマップは、各々の機能を統計データをバーグラフなどのチャートで表示するだけであり、統合的な分析が可視化できるものではなかった。
まだ、クラスター内部の単語を繋げて解釈し、技術概要及びシナリオを創出するには、経験と知識が必要であり、ユーザーフレンドリーではないと言う課題はある。
この課題は、現在他の方法で対応しようと検討中であるが、まずこの手法を実験して更に課題を徹底的に探り出したいと考えている。
参考に、野村證券がサーモグラフのようなパテントマップの提示をしており、このような表現も面白いと考えている。

Sunday, July 23, 2006

Human Internet Annealingの新たな手法

CODATAで発表した実験では、Human Interactive Annealing手法によりマーキング装置に関わる特許106件を6分類の技術に分けることが出来た。その6分類のクラスターを結ぶ謎のノード(ダーク・イベント)が提示された。謎のノードが結ぶクラスター間の概念結合を行い、新たな特許技術に関わるシナリオを6件創発する事が出来た。
さらに、特許データに発願年、出願者名(会社名)をタグとして加えて、Human Interactive Annealing手法で処理する事により、6分類のクラスターに発願年、出願者名(会社名)が表示させることを考えた。この追加のタグにより、マーキング装置に関わる6分類の技術の時系列(最近の技術の方向性)や技術に対する出願者(会社)の注力傾向を分析できる。
発案した6つのシナリオを特許申請の決断を下すにあたり、上記の項目を踏まえて戦略的に行うことは非常に有効であると考える。
この応用例として、マーケティングデータが考えられる。消費者のブランド志向、需要分類をHuman Interactive Annealing手法で行い、時間、性別、場所、年齢、職業など帰属特性をタグで付与する事により、趨勢を分析できる事が可能となる。

Friday, July 21, 2006

ポテンシャル図の起用は当面難しいかな?

ポテンシャル図にHuman Interactive Annealingのデータを処理する検討をしたが、データ量が大きいと扱えない、写真添付が出来ないという課題はプログラムを改善及び付加しないと即座には難しいことがわかりました。
当然といえば当然ですね。
まずは、小規模の実験で本当に想定した効果が出るのかを確認して、その後時間をかけて改良するのが良いですね。
週末、早速実行してみたいと思います。

Wednesday, July 19, 2006

新たなアイデアについて

昨晩M氏から連絡があり、つるツールでは、現時点で大量データ処理不可能、写真貼付機能なし、さらにKeyGraphのアルゴリズムにもバグがあるとの残念なコメントを頂いた。
制約条件があるからこそ世の中、そして研究は面白いのである。
それでは、頭を切り替えて特許番号のほかに、特許申請会社、申請時期をタグ付けして、マーキング装置に関わる、時間、技術を追う会社の趨勢を示すことにしよう。
この処理は、簡単なので、早速本日データの前処理に取り掛かり、週末のPokarisでのマップ作成に向けて実験を進めることにしよう。
ポテンシャル図は2-3ヶ月は、お預けになりそうなので、M氏とリンクに関する課題をもう少し議論したいと思う。

Tuesday, July 18, 2006

特許技術創発に関する新たなアイデアと課題

昨晩は、CODATAの論文投稿を終え、一安心しながら焼酎を飲んで寝ました。
ところが、2時頃に目が覚め、頭から3日間考えていたことが離れず目がさえてしまいました。
仕方が無いので、ベッドから起きて、CODATAの論文を見直すと、修正箇所がたくさんあることに気付きました。早速、気付いたことは直さなければならないので修正し、再投稿しました。
その後、色々と現在のPolarisの問題を考えているうちに、ツルツールのことを思い出しました。
ツルツールの新しい名前は忘れましたが、キーグラフデータをポテンシャル図で表現できるツールです。
このツールを使うと、現在のPolarisで起きている課題を解決できることに思い当たりました。

現在のPolarisでの課題

  1. Human-Interactive AnnealingのデータをPolarisであらわすと、綺麗にクラスターが分離して、特許の分類構造が容易に出来るが、分離されたクラスター内のリンク数が多すぎて、背景が黒色になり単語が良く見えない。
  2. 単語間のリンク数が多すぎて、リンクと単語の関係が全くわからないので、単語間の関係が解釈しずらい。また、単語の共起度も不明であり、どの単語重要単語かもわからない。
つるツールの利点

  1. 単語間にリンクが表示されないので、単語が見やすい。
  2. 単語の頻度レベルで高低が表現されるので、単語の重要度がわかり、単語間の関係を推測しやすい。
つるツールの課題

  1. ダークイベントと連結する単語間のリンクが表現できない。選択的に欲しい箇所だけにリンクが表示されると一番嬉しい。
  2. 写真やPICTOGRAMなどがノードに添付できない。Polarisでは機能あり。
  3. データ量が多いものを処理できない可能性がある。
今後の検討課題
  1. 現在タグを特許番号だけにしているが、競合会社、特許項目、時系列などタグ内容を検討する必要がある。
  2. 特許のパテントマップの方式調査
     
色々調査を進めると特許に関するパテントマップは各社が提供しているが、統計処理したものを散布図、バーグラフ、折れ線グラフ、レーダーチャートなどで可視化しているものが多。野村証券が、サーモグラフマップという名称で、共起度のたかい特許をポテンシャル図のような方法で可視化しており、一番進んでいる様子。但し、画像や言語をノードに添付できず、クリックして見れる程度なので、全体の勢力図を人間が感性で感じるようなマップ構成となっている。

Monday, July 17, 2006

CODATAの論文を投稿しました


既に実験データや考察を実験データまとめていたが、10月のCODATA学会発表の論文を執筆を土曜日から開始しました。(CODATA:  http://www.codata.org/ )

いつも通りで、最初のIntoroductionで躓き、ぱったり筆が止まり、朝4時間で考察しましたが前に全く進めなくなってしまいました。
昨日は、父親の墓参りに行ったために時間がなく、結局夜10時頃から始めて今朝の4時間で執筆しほぼ完成しました。その後、今朝から論文を改めて見直して、修正を加えながら夕方まで時間が掛かりましたが、やっと最終投稿が出来ました。
いやはや、ルマン24時間を越して、堀江72時間(レース中、墓参りで中座)のペースであった。
残念ながら、レースクイーンは応援に夢にも現れず、無念!

Human-interactive Annealing Process with Pictogram for Extracting New Scenarios for Patent Technology
Kenichi Horie, Yoshiharu Maeno and Yukio Ohsawa
University of Tokyo, Bunkyo-ku, Tokyo 113-8563

Abstract: Latent structure behind observation often plays an important role in the dynamics of visible events. Such latent structure is composed of invisible events named dark event. Human-interactive annealing is developed to visualize and understand dark events. This paper presents application of the human-interactive annealing for extracting new scenarios for patent technology from latent technology structure behind current patented technology.
Keywords: Chance discovery, Human-computer interaction, Annealing, Pictogram,Scenario


香港のDMDMの締め切りが7月末までなので、改めて原稿を推敲し投稿したいと思います。
さあ、気分転換にこれからちょとだけ、映画を見てお酒でも飲もう。

Sunday, July 16, 2006

家紋を考える


今日は、父親の墓参りにいってきました。
母親や家族、弟の家族と一緒にお墓を掃除して、父親を送ってきました。
今まで気にしていなかった、お墓の家紋を見てちょっ調査をしてみました。
現在研究しているPictogramの影響に興味があり、家紋の意味に興味を持ちました。
我が家の家紋は、「抱き沢瀉(おもだか)」という紋で、おもだかは、里芋の葉のごく小さいものだそうである。食用の慈姑(くわい)は、沢瀉の変種という。
「おもだか」は、日本十大家紋の一つで使用家は多いそうである。
紋を史上有名にしたのが幕末の老中、水野忠邦である。そのルーツは、尾張国知多郡英比郷小川が祖地で沢瀉の産地であった。水野家はもと小川家を名乗っていた。沢瀉は水田、小川に自生するというから、英比郷小川は水の豊富な所である事が、いながらにしてわかる。
沢瀉紋の使用県の多いのは、静岡、埼玉、長野、愛知、岐阜、京都。
神紋は、京都御霊神社。
中津沢瀉紋として知られている豊前国、中津藩十万石奥平氏の替え紋。
沢瀉紋として217種辞典に載っているが、まだまだこれ以上あることが予想される。

父親は、栃木県足利市の出身で、亡くなったお爺ちゃんからは、足利尊氏一族の家系と聞いている。亡くなったお婆ちゃんの旧名が、武藤という名でもあり。どうやら、武家の家系であるようである。
「沢潟(おもだか)」は、一名勝ち草とも称し武家が好んで用いたと言われる。
酒井、前島、稲葉、清水、川口、小川、平井、米倉、前島、鈴木で使われることが多いとことである。

この調査から得られた本日のシナリオは、以下の様である。
  1. 堀江家は、武家の出身であるが、江戸時代は入り江、川を掘る仕事に関連しており、水辺に住んでいた。沢潟の家紋が示すように、水に関係している職業が天職である。
  2. 実家は、江戸時代亀が住む堀の多い亀戸出身である。
  3. ヨットで太平洋を横断した堀江謙一氏とは一文字違いである。私も、大学時代はヨットをしており、海の上に1年間の3分の2はいた。
  4. 社会人になってから、アメリカカリフォルニア州のサンフランシスコに近い場所に駐在になって、毎日のようにサンフランシスコ湾を眺めながら10年間過ごしていた。
  5. 大学院でも、懇親会は「さくら水産」や「養老の滝」などやはり水との関係が絶えずある。

このコンテクストから、新たに私は以下のシナリオを創発させた。                           研究テーマは、『水のように柔軟でダイナミックに姿を変える社会に対応する新たな知識の創発手法の開発』である。
なかなかPictogramの示唆は深い。

Thursday, July 13, 2006

次の実験への展開を考える

CODATA向けの実験結果については、今週末に論文にまとめて提出する予定である。
今回の実験の結果から、Human Interactive  Annealing手法に、Pictographの活用を行う事でシナリオ創発性への効果が垣間見れた。
この手法の成果を更に実証するための実験を今後考えなければならない。
  1. 特許技術の創発に関しては、データのN数を増やした実験を数回行いたい。                          この実験を通じて、クラスター分離の方法論、クラスター内単語の表示方法、謎ノードから新たなシナリオを創発するためのPictographの活用方法、謎ノードに連結される単語の活用方法などについて具体的な手法が確立できることを期待する。                            最終的な姿として、特許の請求項に記述された目的と手段に対応したデータについては、クラスターの分離を自動で生成する方法を確立し、それにPictographの活用によるシナリオ創発プロセスの確立を目指したい。
  2. ビデオリサーチ社のマーケティングデータを使って、消費者行動の分析を行いたい。                       データ取得時間をタグにしてデータ前処理を行い、消費者行動を時間軸の変化で捉える方法を考察したい。また、製品に関するイメージ、CM内容、メディア、販売場所など消費者行動へ影響与える要因を別のデータとして取り込み、消費者行動を多面的に捉える手法を考察したい。  消費者行動は、N次の外部影響要因に対して選択的に行われるので、影響の大きな外部要因を探しだすこと、また行動に至った消費者心理変化を捉えることが重要である。                       

Tuesday, July 11, 2006

研究室は大賑わい

昨晩は、先週のフランス出張以来で研究室に参加しました。
10月入学希望の2名が参加され、研究員の発表が多数あり、非常に賑やかな意見交換が行われました。その後は、懇親会で根津の側の飲み屋に行きました。
O先生を囲みながら、フランスの土産話や入学希望者への質問やらで楽しい会話が出来ました。
M氏も、今晩は夜のお勤めが無いようで、ビールや焼酎などを飲んでいましたので、実験の結果について雑談しました。
特許の請求項のように目的と手段を記述したテキストデータを処理すると、あいまいな言葉が少ない為、今回の結果のようにクラスターが明確に分類された。今後、特許のデータを処理して、クラスター分類が明確に出来るような条件を定められるのであれば、Human Interactive Annealinmgは、特許技術のマッピングや新たな技術シナリオ創発に適した手法になる可能性が大である。
人は、クラスター分類が明確になればなるほど、クラスター間の差異を明確に認識でき、クラスターの解釈も容易になるからである。その結果、クラスター間を結合する謎ノードへ概念やイメージを挿入し、新たなシナリオを創発しやすくなる。
この仮説を検証するために、更なる事例のN数を増加して検証したいと思う。

Sunday, July 09, 2006

Human Interactive Annealing と新たなシナリオ創発の特性について


Human Interactive  Annealingによって特許に関わる新たなシナリオを創発することが出来た。
この創発性は、Human Interactive Annealing の機能のどこから生まれたのであろうか?
この命題を考えてみました。

  1. 人の認知度に対応したデータ作成(ヒュリスティックとアルゴリズムの利用)                                              最初にデータを作成するときに、データの解釈をしやすいようにクラスターの数、リンク数、出現単語数など、人の解釈し易さ(認知度)を確認しながら調整し、人がデータの内容と意味を解釈できる段階までクラスターを分割していった。
  2. クラスターのシナリオを創出後、特許番号のPictogrphを参照し、再解釈(ヒューリスティック問題の解決)                                                                 人間は自己の専門知識や先験的なノウハウを効率的に使用し、クラスターを解釈する事が出来る。しかし、ヒューリスティックの問題は、思い込みによる解釈の違いや、既知による新たな着想の妨害である。Pictographをシナリオ創発後に参考にする事で、このヒュリスティックの問題を解消し、クラスターの解釈の精度を上げる事が可能になった。
  3. クラスター間の謎ノードを作成(帰納法(Induction)の活用)                               謎ノードを15個と最小限に設定し、クラスター間の関係を推論しやすくした、
  4. クラスター間の謎ノードにイメージ、概念を挿入した(心的イメージとメンタルモデルの利用)              従来の方法では、謎のノードに単語を入れる方法を考えた。しかし、特定した言語を入れるよりイメージや概念によりクラスター間の関係を結びつけるほうが、よりあいまいになり様々なシナリオが生まれやすくなった。
  5. 謎ノードのイメージ想起を促すため謎ノードにPictgraphを入れた(拡散的思考の利用)                            謎ノードにイメージや概念を想起する参照として、関連する特許の請求項のテキストと図表をPictGraphとして挿入した。
  6. グループディスカッションによる意見交換(アフォダンスの知覚学習)                                                                     最初に被験者が考えた謎ノードのイメージや概念による新たなシナリオの創発が、他の被験者に新奇なシナリオを積極的に探索し、隠された意味を発見することに共鳴を与え、知覚しようとして新たなシナリオを生んだ。

FINKEの「創造的認知」を読み返しながら、まとめて見ましたが、まだまだ色々なことが考えられそうです。

Friday, July 07, 2006

パリのIPMU学会に参加してきました


7月3日にパリ大学にでIPMUの学会があり、研究発表を行いました。
チャンス発見の会場参加者は予想より少なく、30名程度でした。
今回の研究発表で、「KeyGraphの黒ノードとリンクの塊である島を最初に観察し、そのコンテクストを解釈後、次に島を解釈する。その後、島間の関係を解釈するのに赤ノードを参照する。一方、新たなシナリオは、そのような島の概念を結合するときに、赤ノードの言葉から触発され創発される。」と言う仮説を発表しました。その仮説を裏付けるために、最近実験をしたHuman Interactive Annelingの結果を発表しました。
詳細の結果は、10月開催の北京でのCODATAに発表する予定です。
パリでの一番の印象は、当日の夕方に参加したソルボンヌ大学の講堂でレセプションでした。
講堂は、左右にある緩やかなカーブを描いた階段をあがる2階にあります。室内は、シャンデリアが燦然と輝き、その豪華絢爛なインテリアと威厳のある絵画に圧倒されました。ソルボンヌ大学の歴史の重みを感じるシーンでした。

Saturday, July 01, 2006

本実験の結果の考察












本実験は、新たなシナリオが6件、そのうち新奇性の高いシナリオが2件でるという予想以上に良い結果が出ました。
現在、結果について考察していますが、大体以下の内容である。詳細については、CODATAの論文発表を行う予定である。

  1. 予備実験によって各被験者が、マーキング関連特許に対して興味をもった。KeyGraphのシナリオマップの解釈方法を学習した。すなわち、シナリオマップに現れるクラスター(黒ノードとリンクの塊:島)を最初にリンクで結ばれた単語間から意味を推定し解釈した上でシナリオ創出ができるようになった。
  2. 予備実験の結果と被験者からのコメントを考察し、被験者がData Crsystallizationのシナリオマップ(別称:謎謎マップ)を解釈しやすいようにデータの前処理、謎謎マップ表示方法を工夫した。                                                            本実験の謎謎マップを被験者が容易に解釈するために6つの工夫を行った。                        1)リンク数を減少させ単語が見やすくなった。                                              謎謎マップのクラスター内部のリンク数が多いと単語とリンクが重なり、単語が認知し難い課題を解決する必要があった。                                                     2)謎謎マップを一枚だけ提示することで被験者が謎謎マップを解釈する時間が十分に与えられた。                                                  Annealing温度を低温度(19)と高温度(40)の2つの条件でデータを比較した。単語数やリンク数を減少させていった結果、低温度でも高温度でも謎謎マップ上のクラスターは7個と同じ構造の謎謎オマップとなり、データ構造が7つの概念で構成されていることが判明した。これにより、謎謎マップを複数枚提示する必要がなくなった。                                       3)謎謎マップに現れる単語数を300(Nodal Degree 上位300)にすることによって、クラスター内部の単語数が50語前後となり解釈がし易くなった。                         謎謎マップでは、クラスター内部の単語間のリンク数が多すぎて単語間の関係が分かり難いという課題があった。そのため、謎謎マップの単語数が500語を超えると、クラスター内部の単語数が100以上になり、一般的に被験者が解釈し難くなる課題を解決する必要があった。                                    4)Human-Interactive Annealingの手法は、Precisionga15?20単語でも80?90%と精度が高いので、謎ノード数は15語に留めて、創発しやすくした。                             5)採用した請求項のテキストデータに特許番号のタグを付与した。クラスターに現れた特許番号のタグに該当する特許の図表と請求項のテキストデータを含んだPictographを貼付し、クラスターのコンテクストの解釈を補助するようにした。                                                     6)謎謎マップの謎ノードに該当する請求項のテキストデータと図表を含むPictographを貼付し、クラスター間の概念を結合し新たなシナリオを創発させるための補助とした。
  3. 謎謎マップの解釈、マーキング関連特許に関する新たなシナリオの創発の過程を、各々発散・収束工程に分割して、補助するPictographの提示するタイミングを発散と収束の工程におこなった。クラスター内部の単語間の関係から意味を連想し、シナリオを想起する発散工程時には、何も提示しない。ある程度シナリオが出尽くした時点を収束モードとして、クラスターに付与された特許番号のタグに請求項と図表を含むPictgraphを提示し、解釈したシナリオの確認・再解釈を行う。 次に、クラスター間の概念結合を行い、新たなシナリオを創出する最初の発散モード時に、謎ノードに該当する請求項のテキストデータを図表を含むPictographを提示し、新たなシナリオ創出の補助とする。
  4. 新たなシナリオが創発されたときに、謎謎マップの謎ノードに単語を入れるのではなく、想起する概念やイメージを入れるようにあいまいにした。                                  謎謎マップを創発的に利用するには、人の創発性を促すあいまい性を残す工夫が必要である。
  5. 更に、謎謎マップの謎ノードの多い所を優先にして新たなシナリオを創発させるように導いた。