Saturday, August 19, 2006

Human-Interactive Annealing手法とメタ認知について

昨日、消費者のデータをHuman-Interactive Annealing手法で解析をしながら、考えた。
既存データとダーミーデータによる潜在的構造を解析しながら、グループディスカッションを行い、主観のシナリオを創出した。そのシナリオを再度KeyGraphで解析し、自分の考えや他人の考えに気づき、新たなシナリオを創出することがメタ認知の創発への活用である。
気づきを与えるためには、あらゆる手段で関連する情報を与え、発想を発散させることが必要である。
現在、Polarisを開発したO氏にノード上にURLやハイパーリンクを貼れるように相談している。
画像や写真だけでなく、さまざまなデータ(Text、画像、静止画、動画、音声)が貼付できることにより、発想が豊かになる可能性があると感じる。

Sunday, August 13, 2006

Polarisの更なる機能改善について

Polarisは、写真貼付機能があり、BMP/GIF/PNG/JPEG形式の画像データをノードに貼付することができる。この機能により理解しにくい言語を解釈しやすくすることができる。この機能をさらに拡張し、ノードに画像データだけでなく、ノードをクリックするとURLまたは他のデータにリンクする機能をつけたい。理由は、Human?Interactive Annealing後のイベントマップに現れる謎ノードにリンクするノードにデータをリンクさせ、クリックすることによりデータを表示させることにより、謎ノードとの関係を明示するためである。
一方、Polarisで処理したデータの上位頻度又はNordal単語の選択チェックマークを現在の一個一個手動で選択・削除する方式から、番号指定(12?1265迄非選択など)又は、選択初期番号と選択最終番号をマウスで指定すれば、自動的にその範囲が選択・削除できる機能にして欲しい。
理由は、Polarisで大きいデータ(数万行以上)を処理後、上位頻度又は、Nordal単語を選択する場合、選択単語以外のチェックマークを手動ではずさねばならないが、現在の手動であると数万回単語の選択・削除を行わなければならず、非常に時間がかかるため。

Tuesday, August 08, 2006

メタ認知について



メタ認知は、創造性を促進させる作用と、抑制する作用を合い持つ。
抑制する作用としては、一度メタ認知で知覚をある概念で決定してしまうと他の概念に移行できないという特徴を利用する。
私としては、むしろ創造性を促進させる作用を活用したい。そのために、知覚したものを様々な言葉によって表現し、概念を創造しながら、抑制することなく発散させていく事が良い。
この作用は、被験者が自分の体験をKeyGraphのマップ図を照らし合わせながら、新たなシナリオを創発させる工程と似ている。
このときに、いかに抑制せず、被験者が自分の知識、経験、価値観、関心などに照らし合わせながら、KeyGraphのマップ図から知覚したものを言語で表現してシナリオに落とし込むことが必要である。
マップ図は、絵を鑑賞し、自分が感じたものを言葉に表現していくこととも同様である。
今度は、ピカソ、ダリの絵を見ながら実験してみたい。

Monday, August 07, 2006

Polarisの新たな機能について

Human-Interactive Annealing手法によって、潜在的な構造をしることが可能になった。
過去の実験で特許においては、6個のクラスター分類になり、特許技術の構造化が可視化できた。
謎々マップにある謎ノードを解読をする場合に、Multilateralな手法が必用である。
Pictogram(写真、表、図形、グラフなど)を謎ノードや連結するクラスター内部の黒ノードに貼付して、解釈の補助とすることを提案した。さらに、謎ノード及び連結する黒ノードのMultilateralな情報を獲得する為に、PictogramだけでなくWEB情報やTEXT データ(報告書、マーケットデータ、技術資料、など)を貼付できるとより解釈の補助になると考える。
そのための方法として、PolarisのノードにハイパーリンクやURLリンクを張れる機能を追加するアイデアを考えた。
この具体的な方法は、実験を行いながら、解釈の補助になると確信できてから実行に移すことにする。
 

Sunday, August 06, 2006

中京大学 情報処理工学部 諏訪教授と面談しました


昨日、メタ認知で有名な中京大学情報処理工学部諏訪教授と面談してきました。
メタ認知とは、「認知に対する認知、すなわち、見る、聞く、書く、話す、理解する、覚える、考える、といった通常の認知活動をもう一段高いレベルからとらえた認知を指します。認知活動を客観化、対象化する。」といえます。
メタ認知の実験によって、自分が感じている事を言葉にすることによって自分の感覚を認知して、更にその理由(変数)や原因、新しい問題意識を探索していき、自分を掘り下げる事が可能です。
1.味覚:お茶  ケーキ
2.感性:居心地  街と私  洋服と私  ぬいぐるみと私
などの実験を通して、味覚が鋭くなったり、感性が研ぎ澄まされたりすることが解明されています。

認知心理学では、科学的な検証方法として外部から内側のデータを観察することが唱えられてきました。(従来の手法 "Thinking of Thinking" 言語的思考)
諏訪教授は、”Cognition of Cognition"という内側からの観察の必要性を主張しています。これにより、言語的思考だけでなく、知覚・身体の動きを内側から観測できるからです。(メタ認知:内部観測(Nakashima, Suwa and Fujii@ICCS2006)
この主張は、Jerome Bruner (1990) ”Meaning making rather than information processing”、戸田正直氏 「個人のナラティブ(内観)を正統的なデータとして取り扱うべき。」、浜田氏(認知心理学会独創賞)「渦中の人の渦中からの言葉に接する必要あり。」などと支持されています。
しかし、内観するとインターラクションしている最中に被験者に影響を及ぼし、データが変化するという課題があります。  
そのため、諏訪教授は、”Constructive  Science”というアプローチを提案し、内部観察をループの中に入り、データを捉えながら分析するという科学的な手法を確立していこうとしています。

一方、メタの認知がもたらす熟達のサイクル(Gibson&Gibson:1955)について、「人は、熟達していく過程で、新しい変数を発見し、その変数間の関係に気付き、全体的なモデルを把握する。更に、新しい変数に気付き、新しい問題意識を持ち、モデルを組みなおし、新たなモデル形成を行うというサイクルを繰り返す。」という説明を受けました。まさに、この熟達のサイクルは、私の新製品デザインのシナリオ創発時に直前のシナリオが含む単語数と赤ノード数の減少という特徴を説明できます。

諏訪教授と意見が合い、更にメタ認知とチャンス発見の手法の共同研究を行うことになり、KeyGraphのイベントマップをプロジェクターで拡大して天井に照射し、そのマップを見ながら、被験者がその空間を移動しながら意見を述べ認知感覚を言語化して、その結果をKeyGraphで処理して被験者の認知活動を分析するという実験を行う事になりました。

これから、楽しみです。

Saturday, August 05, 2006

ダーウィンが「種の起源」を発見したのは、マルサスの「人口論」が切欠であった!


最近、「ガリレオの指」Peter Atokins著を読み始めた。
この本は、ガリレオの指さす方向へ進んだ科学が到達した最高の高みである世界10大科学理論を説明している。
その中で、ダーウィンが、「種の起源」に記述された自然選択の発見のきっかけとなったのが、1838年9月28日にビーグル号でガラパゴス島に寄港し、陸亀の肉を食べながら、マルサスの「人口論」(1798年)を読んだ時に「ひらめいた(ユリイカ)」とのことである。

「いたるところで起きている生存競争を、動植物の長期的な観察をもとに理解してみようとすると、そうした状況下では、有利な変異が保存されやすく、不利な変異は消失しやすいことに思い当たった。」


研究における発見というのは、その専門性を深めるだけでなく、FINKEが言う様に様々な情報や知識を大量に獲得している最中に、潜在的に興味の高い研究課題が考察されており、あることが契機となり「ひらめく」ことが多いのであろう。
研究者としての研究態度や調査方法について啓二に富んだ出来事があったのを知った。

Wednesday, August 02, 2006

Human Internet Annealingの新たなアイデア

Human?Interactive Annealing手法は、潜在的に非常に多くの応用が考えられます。
1.特許技術の過去の趨勢、将来の予測
2.消費者の潜在的な需要における振る舞い、それに対応したサービス又は製品提供
3.戦略の潜在的な主張と将来の方針
など、多岐に渡ります、
是非、理論的な新規性と実務性について議論したいと思います、

Ptent Mapについて



KES ジャーナルに投稿したPatent Mapの研究成果は、最初の実験としては非常に面白い結果を得る事ができたと思う。今後、Patent Mapで何を分析したいのかという需要を調査の上、目的に沿ったものにしていきたいと思う。一方、従来の統計処理方法で作成したPatent Mapでは出来なかった既存Patentの潜在的技術構造の表示をHuman-Interactive Annealing とData Crystallizationによって可能にできた。その結果、パテント技術の推移や重要なパテント技術が理解でき、あらたなパテント技術の創造を可能にした。
このようなPatent Mapは、世の中に存在していないため、より精緻な手法と表示方法にしていきたいと考える。非常に研究成果として期待できる研究であると思う。いまから、楽しみである。