Monday, December 24, 2007

主体性と組織力を高めるAI:ポジティブチェンジ



The Power of Appreciative Inquiry(AI) Diana Whiteney, Amanda Trosten-Bloomを読みました。
AIにより、組織や人の過去及び現在の強みや価値、潜在的な可能性を認識し、組織と人が新たな可能性、新しい方向性、新しい理解に関するオープンな学習プロセスを通じて、命令と制御に根付いた組織文化を、発見と共同のコミュニティの文化へと変化させます。その変化により、社会の変化を素早く察知し、それに適応する最善の方法を共同で発見する知識を創造し、対応するために自己組織化することが可能になります。
AIのAppreciationとは価値の認識と付加と定義されています。
詳しくは以下に定義されています。
1.人、そして私たちを取りまく世界の最善の部分を見出し、認識すること。
2.ヒューマン・システムに活気、健全さ、生命力、卓越性などを与えてくれるものに気づくこと
3.過去と現在で強み、成功、資産、潜在的可能性を肯定すること
4.価値を増やすこと(自分が投資したものの価値が上がること)

これに、さらにInquiryという探究と発見の行為を行います。
詳しくは、以下に定義されています。
1.質問を投げかける
2.勉強する
3.探す、探究する、掘り下げて調べる、調査する

AIを最大限に生かす方法は、最初の図にある4-Dサイクルを実施することです。
組織の意識を組織の最も肯定的な可能性のあるポジティブコアに焦点を当て、組織の意識がそこに向かうようにします。ポジティブコアとは、組織が最善の状態であるときの本質的な特徴、つまり組織の有形もしくは無形の強み、能力、資源、資産に関する人の知の集合体です。
この4-Dサイクルは、ポジティブ・コアの要素を含んでいる組織にとって戦略的に重要なテーマである、肯定的なトピックスを選択します。次に、組織における現在及び過去の最善であったものを組織で探求し、発見に努めます。次に、「どうなれるか」というの探究を組織で行います。次に、「どうあるべきか」という設計を行います。そして、最後に継続的な学習と改革や「どうなるか」という運命をサポートする行動を作成します。
このような肯定的な変化のプロセスをAIにより構築することにより、組織の将来の肯定的な可能性を誘発し、開花させます。過去における問題点や欠陥に基づいて、欠陥を克服することに焦点を当てると、組織のポジティブ・コアを発見し、拡大することが出きません。
AIの4-Dプロセスを実行することにより、知識豊富で、強みを基盤とし、環境に適応可能なPter Sengeのいう学習組織の構築を実現できます。

Sunday, December 02, 2007

Serediptyについて

セレンディピティ(Serendipity)とは、何かを探している時に、探しているものとは別の価値あるものを見つける能力・才能を指す言葉である。何かを発見したという「現象」ではなく、何かを発見をする「能力」のことを指す。
Serendipityという言葉は、ホレス・ウォルポールが1754年に造語した言葉である。
彼が子供のときに読んだ『セレンディップの三人の王子』という童話に因んだ造語である(セレンディップは「スリランカの3人の王子」という意味の題名である)。
ウォルポールがこの言葉を初めて用いたのは、友人に宛てた書簡において、「セレンディップの三人の王子」の童話で、「王子たちは旅の途中、いつも意外な出来事と遭遇し、彼らの聡明さによって、彼らがもともと探していなかった何かを発見する。例えば、王子の一人は、自分が進んでいる道を少し前に片目のロバが歩いていたことを発見します。何故分かったかというと、道の左側の草だけが食べられていたためなのです。」と説明している。
英英辞書では以下の通りの説明がある。
Serendipity: the natural ability to make interesting or valuable discoveries by accident (Longman Dictionary of contemporary English)
このような起源を持ち、辞書で上記のように説明されているように、Serendipityとは、単なる 発見した"幸運" や "偶然" ではなく、発見する「能力」を指している。
セレンディピティは、失敗してもそこから見落としせずに学び取ることができれば成功に結びつくという一種のサクセスストーリーとして、また科学的な大発見をより身近なものとして説明するためのエピソードの一つとして語られることが多い。
一方、A.L.Strauss,B.G.Glaserらは、彼らのGround Theoryにおいて、社会学の方法として予期しない特異な戦略的なデータが既存の理論の延長または新しい理論の創造の機会になることを観察された経験から、SerediptyはSerendipty patternとしてイデアの構築に役立つとされている。
また、R.K.Mertonらは、”The Travels and Adventures of Seredipty" (Princeton: Princeton University Press, 2003)で、 ”Serendipty"という造語がつくられてた起源と用途の跡をたどっている。そのなかで、 Serendiptyを目的をもった発見と経験的または、予知能力とを並列させた科学的手法として発展させている
なお、Serendipityについての引用文は、以下のものが参照になる。
"In the field of observation, chance favors only the prepared mind." Louis Pasteur
"Serendipity. Look for something, find something else, and realize that what you've found is more suited to your needs than what you thought you were looking for." Lawrence Block
"The most exciting phrase to hear in science, the one that heralds new discoveries, is not 'Eureka!', but 'That's funny …'" Isaac Asimov
"In reality, serendipity accounts for one percent of the blessings we receive in life, work and love. The other 99 percent is due to our efforts." Peter McWilliams
"Serendipity is looking in a haystack for a needle and discovering a farmer's daughter." Julius Comroe Jr.
"Serendipity is putting a quarter in the gumball machine and having three pieces come rattling out instead of one—all red." Peter H. Reynolds
"--- you don't reach Serendib by plotting a course for it. You have to set out in good faith for elsewhere and lose your bearings ... serendipitously." John Barth, The Last Voyage of Somebody the Sailor
"Serendipity is the art of making an unsought finding." Pek van Andel (1994)

Serendipityを新たな出来事を発見する科学的な手法としてとらえていきたい。
人が、全く違った出来事を予見または発見するには、人の認知と思考にヒントがあるように思える。
以下の参考文献を今後読んでみる。
Robert K. Merton, Elinor Barber: The Travels and Adventures of Serendipity: A Study in Sociological Semantics and the Sociology of Science. Princeton University Press, 2004. ISBN 0-691-11754-3. (Manuscript written 1958).
Patrick J. Hannan: Serendipity, Luck and Wisdom in Research. iUniverse, 2006. ISBN 0-595-36551-5
Royston M. Roberts: Serendipity: Accidental Discoveries in Science. Wiley, 1989. ISBN 0-471-60203-5
Pek Van Andel: "Anatomy of the unsought finding : serendipity: origin, history, domains, traditions, appearances, patterns and programmability." British Journal for the Philosophy of Science, 1994, 45(2), 631-648.