Monday, May 29, 2006

ミラノのレオナルド・ダ・ヴィンチに会って来ました


5月22日に日本を発ち、仕事でイスラエルに向かいました。
始めて訪れたイスラエルの感動報告は後ほどとして、やはりその後の5月25日ー26日の2日間に過ごしたイタリアのミラノの観光は感動しました。
憧れのレオナルド・ダ・ヴィンチが描いた「最後の晩餐」の壁画を見たかったのですが、6月末まで予約で満席で見られませんでした。しかし、かってレオナルドが過ごしたミラノの街並やスフォルゾ城を見学でき感動しました。
特に、スカラ座広場にあるダ・ヴィンチ像を見られたのが何よりの収穫でした。
凛々しく知性溢れる顔から見下ろす目線が、見上げる自分に降り注いできて何か重要なメッセージを言われているような気がしました。経験を重要視し、医学、数学、物理額、科学、美術、音楽など多方面の専門分野において実験繰り返し新たな発見と創造を生み出した天才は、「君も経験を重要視し、同じ新たな創造を目指して歩め」と言っているような気がしました。

特許の予備実験開始







韓国、台湾、中国、イスラエル、イタリアとこの数週間海外出張が多すぎて、全く研究に手をつけることが出来なかった。
しかし、8月1日締め切りのKES ジャーナルや10月中国北京で開催されるCODATAの研究発表に備えて、予備実験に着手した。
被験者5名に、マーキング装置関連特許6件のデータをKeyGraphにて処理し、黒ノード、黒リンク、赤ノード数を9段階に増加させながら、9枚のシナリオマップを提示し、各々のシナリオマップから解釈できるシナリオを創出してもらった。
次に、M氏が開発した、既存データにダミーデータを取り込み、データにはないがクラスター間に関連性のありそうなダミーデータ(謎)を表示できるアルゴリズム”Anneachan”を使ってPolarisにてシナリオマップを作成し、5名の被験者個々に提示し、新たなシナリオを創発してもらった。

結果:
  1. 最初の9枚のシナリオマップについては、被験者全員が解釈する事が出来た。 被験者よりシナリオの内容はばらばらであったが、ノード数増えるに従い詳細なシナリオを作成することが出来た。
  2. ダーミーノードに現れたシナリオマップについては、被験者全員が4つのクラスターを解釈するシナリオを創出することは出来た。また、謎であるダミーノードに適切と思われる単語は想起できたが、新たなシナリオを創発するには至らなかった。
考察:
  1. ダミーノードの現れたシナリオマップは、5つの大きなクラスターに分類された。観察者としては、その5つの分類が個別特許技術を示している事を期待したが、その通りりかどうかはまだ検証できていない。 少なくとも特許は目的と手法が記述されており、その共通された内容がクラスターになっているはずである。仮に、そうでない場合は、特定特許技術に関わる目的と手法がクラスター内で構造化されるために、データ前処理の方法を考える必要がありそうである。
  2. 個々のクラスター内部の黒ノードの単語は間引いた結果を示しているため、非常に頻出頻度の高い言語がリンク関係を示さず羅列されて表示されているため、共起グラフ図のような状態で、クラスター内の赤ノードのような高頻出頻度の言語と言語を結ぶ関係性を示す言語が現れず、解釈しにくい。また、クラスター内でのチャンス発見は不可能である。クラスターを明確に解釈するためには、クラスター内の高頻出頻度の言葉の順番及び関係性を示す必要がある。
  3. 単語を間引く必要があるが、間引き方を高頻出頻度言語だけでは、十分な解釈は得られない。クラスター内部でノード頻出頻度の低い単語から段階的に高い頻度の言語に移動し、解釈を深めながら、最終の形にしなければクラスター内部の解釈は困難である。

Friday, May 12, 2006

チャンス発見コンソシアムでのパネル発表


6月16日に開催されるチャンス発見コンソシアム(筑波大学大学院 茗荷谷)で発表することになりました。
タイトルは、「絵のあるシナリオマップ(~分散知から者を生むデータ可視化~)」です。
専門知識、経験などの異なるプロファイルを持つ技術者や職務の異なる営業担当者、開発管理者などがグループディスカッションを行うう場合に、データ上の言語の解釈が異なり十分な議論が出来ないという問題があります。シナリオマップ上の不明瞭な言語に該当する写真を貼付することにより、言語の意味を共通化する手法とプロセスを提案します。

以下に発表の概要を述べます。
製品開発においては、市場における顧客の要求や要望に基づきながら市場の成長性、将来の技術の推移、競合会社との差別化、機能、品質、価格なども考慮して製品のデザインをしなければなりません。一方、製品、特にシステムのデザインには、機械、電気、光学、ソフト、システムなど専門分野の異なる技術者だけでなく営業担当者や製品開発管理者など職務や経験、知識などの異なる担当者の関与が必要です。市場における顧客の要求や要望は、営業担当者が数多くの顧客と打ち合わせを重ねながら収集し、報告書のような書面にてまとめられます。製品開発管理者は、各々の関係者を収集し、この報告書に基づいてグループディスカッションを行い、新たな製品の概念を決めた上でその概念を仕様化し、具体的な製品をデザインします。しかしながら、新たな製品の概念を決める際に、職務、経験、専門知識などの異なる担当者によって報告書の言葉の解釈が異なり、議論が噛み合わず、新たな製品概念に関するシナリオを創発できないという問題があります。チャンス発見の手法は、市場における顧客データをKeyGraphで処理したシナリオマップに生地を貼付して顧客の行動特性を発見した事例(臼井`05)など実際のビジネスに活用され、多くの成功事例があります。今回は、職務や経験や知識などの異なる人々の分散された知識を活用し、新たな製品のシナリオを創発させるために、KeyGraphに写真を貼付した絵のあるシナリオマップとプロセスを紹介します。そして、その絵のあるシナリオマップとプロセスを実際に企業の製品開発に適用し、特許申請の契機となった新らたな製品に関するシナリオ創出の成功例を紹介します。

Thursday, May 11, 2006

アニーチャンを実装しました

月曜のゼミに参加しました。
O先生の神田ガードレール下探検の発表がありました。自分が観察して感じた内容を記述しながら、写真を取っていきます。その記述内容には、タグにて写真の番号を入れます。それをPolarisにて出力した後に、写真をペースとして完成です。感性をあらわした神田ガードレール下の探索の足取りが理解できました。
その後、MさんからHI用にデータ変換を行う「アニーちゃん」を頂き、実装しました。
今日から、特許や顧客データを使って、「アニーちゃん」でお遊びをします。
本実験前のお遊びでどのような結果がでるのか楽しみです。

Tuesday, May 02, 2006

ゼミに久々に出席しました

4月17日は、中国杭州市でのWSEAS学会発表、4月24日は、急な出張のためにゼミへの参加が出来ず、昨日久々にゼミに参加しました。
ゼミで購入していた大型液晶テレビの架台を組み立て、やっと安心して見れるようになりました。
でも、縦型より平面置きで参加者が画面を囲むように見て議論するスタイルのほうが議論が盛り上がるし、皆が肘が触れるくらいに近づいて話すほうが一体感がでて新しいアイデアが生まれそうです。
グループディスカッションにおける、各個人間の距離の関係も以外に創発的認知の要因になる可能性を感じます。

K氏の発表は、擦り合わせ型GUI開発設計をモジュール型に変換するためのコミュニケーション方法の提案のように思えました。ドメイン知識を共有するドメイン場を設定し、コミュニケーションギャップを解決する簡易記号の導入により、開発時間が短縮できるという効果を得ることができました。
従来であれば要求仕様を解釈し、設計仕様に変換するインターフェースは、専門技術者とチームリーダーとの暗黙的な知識や経験の擦り合わせを行うことにより時間をかけて行われていました。
これを、インターフェースのコミュニケーションをドメイン場、簡易記号の導入で、円滑で簡便になり、各主要工程での意思決定が早くなります。その結果、モジュール型のようにインターフェース設計を工夫すれば、工程が組み合わされるような状態に変更することが出来ました。
但し、このモジュール型開発設計手法により高効率な結果がえられましたが、新たなデザインのアイデア創発する仕組みになっていないように思えました。結果として、一般的な製品設計には良いのでしょうが、顧客の感性を刺激する新たなデザインが生み出されることは困難なよう思いました。

M氏のイタリア旅行の発表は、素敵な写真が見られて非常に刺激になりました。やはり、偉大な賢者達の彫像は、威厳がありオーラが出ています。マグダラのマリアの木彫りの彫像も迫力があり、一目見たら目がひきつけられるようなインパクトがありました。
一方、HAの研究発表がありましたが、やはり粒度が細かくなると人によって解釈できる内容が異なってくるように思えました。
創発的なプロセスである、HAの表示の前に以下のプロセスで進めるのが良いのではないかと思います。
1.黒ノードと黒リンクの数を制限し、赤ノード数を0にして表示。(共起グラフ)
2.黒ノードと黒リンク数を増加させ、10個程度のIslannd までになるように数段階で段階的に表示(共起グラフ)
3.2.の各段階のKeyGraphに赤ノードを入れてブリッジを形成させ表示
4.1から3でデータの解釈をグループディス内部で共通に深める。
5.HAを使用し、荒い粒度から細かい粒度へ多段階で表示し、創発的なシナリオ作成を促す。