Sunday, January 28, 2007

創発を促進させる補助線を考え始める

人が、デザインを考え始めるときに、必ず最初に与えられた題材や材料・道具の組み合わせでイメージを想起させる。その想起されたイメージを、具体的にペンや筆などでスケッチを行い、イメージを描写する。この一連の組み合わせの思考作業は、スケッチする作者に所与の題材、材料、道具の単語や写真を線などで結びつけてもらうことで、再現することができる。
一般的に、作者が最初にイメージしたスケッチは、単純な組み合わせによって素朴な形状のデザインが多い。
その後、人は何度か一連の組み変えを繰り返しながら、デザインするイメージを変形させていくが、最初にデザインされた形状に新たな形状を付与するか、又は最初の形状を変形させていく。

メタ認知では、人は所与の要素の組み合わせの意味づけを行い、要素間の関係を形成する。
新たな要素を与えると、ひとは従来の要素との組み合わせると従来の意味づけが成立しなくなり、さまざまな要素間の組み合わせを考えると共に意味づけを考え直し、適合すると考えられる新たな組み合わせと意味づけに落ちくまで一定の時間を要する。
Finkeの実験では、適度な制限を加えると創造性が増加することが明らかになった。
制限加えるとは、新たな要素を加えることであり、創造性の増加とは、新たな要素と従来の要素の新たな組み合わせにより、従来の組み合わせより組み合わせの数が増えたことである。

人が創造性を増やす仕組みについては、メタ認知及びFinkeの実験で明らかになった。
しかし、そのような人が創造を行う仕組みに基づいて、如何に創造性を積極的に促進させるかということが私の研究の主題である。
すなわち、ただ漠然と新たな要素を加えるという制限により人に新たな創造を促すというのではなく、新たな要素と従来の要素を組み合わせる時に、適切な組み合わせを早期に至らせる方法を構築したい。
稀であるため忘れてしまっていた事象、可能性が低いために考えていない事象、関心が薄かった事象など人の脳の深層にある断片的な情報、経験や知識を意図的に引き出して、新たな要素との従来の組み合わせの意味づけの支援を行う。
この人の脳の深層にある断片的な情報、経験や知識を引き出す気づきを与えるのが創造性を促す補助線である。
それでは、そのような補助線を引いてあげるにはどうしたら良いのであろうか?
コーチングという、経験と知識の豊富なコーチが人に答えを与えるのではなく、答えを導くような言葉の投げかけ、環境の提供にも共通の要素が含まれている。
このような作業をコンピューターと人とのインターラクションで行えるような方法をKeyGraphを超える方法で考え出したい。
M氏との共同研究で、Data CrystallizationとHuman-Interactive Annealingの手法で行った特許データからの新たな技術創造の研究は、その一部である。
これから、参考文献を読み、改めて頭の整理と新たな方法の検討を開始する。

Saturday, January 27, 2007

異質なデザイン創発を行う補助線の効用

今朝、久々にO研究室に顔を出して、O先生と面談した。
今後、博士論文作成いあたり、参考文献の読む数が少なすぎること、論文の構成に一貫性が無いことなど率直な指導を受け、深く反省するとともに、出来の悪い学生に対する暖かい言葉に感謝した。
その後、K氏、M氏を交えて、異質なデザイン創発を行う補助線の効用について初期実験の結果を発表した。
KeyGraphによるデータ処理後のグラフ図を黒ノードと黒リンクだけ2枚、更に赤ノードを入れたもの1枚の3枚を提示し、被験者8名に関連性のある言葉を線で結び、想起されるイメージを描いてもらった。
1枚目は、非常にシンプルなデザインが多い。
2枚目は、複雑なデザインに変化していた。
3枚目は、白紙、更に複雑なデザイン、異質なデザインの3種類になった。
この結果、赤ノードが異質なデザインの効用を担ったとものと思えた。
しかし、今回現れた赤ノードは、データベースから考えると関連性を示すものではなく、むしろ新たな制限を与えるものであると考えられることから、Finkeの「制限を与えたほうが創発性が上がる」という結論を裏付ける実験結果となってしまった言える。

M氏より、数学の図形のように1つの結論に収束する補助線と、新たな発案を導き出す補助線があって良い。そのためには、現在の実験方法を変えたほうが良いと助言を受けた。
改めて、実験方法を改良し、実験をしなおして見ることにする。