Sunday, December 02, 2007

Serediptyについて

セレンディピティ(Serendipity)とは、何かを探している時に、探しているものとは別の価値あるものを見つける能力・才能を指す言葉である。何かを発見したという「現象」ではなく、何かを発見をする「能力」のことを指す。
Serendipityという言葉は、ホレス・ウォルポールが1754年に造語した言葉である。
彼が子供のときに読んだ『セレンディップの三人の王子』という童話に因んだ造語である(セレンディップは「スリランカの3人の王子」という意味の題名である)。
ウォルポールがこの言葉を初めて用いたのは、友人に宛てた書簡において、「セレンディップの三人の王子」の童話で、「王子たちは旅の途中、いつも意外な出来事と遭遇し、彼らの聡明さによって、彼らがもともと探していなかった何かを発見する。例えば、王子の一人は、自分が進んでいる道を少し前に片目のロバが歩いていたことを発見します。何故分かったかというと、道の左側の草だけが食べられていたためなのです。」と説明している。
英英辞書では以下の通りの説明がある。
Serendipity: the natural ability to make interesting or valuable discoveries by accident (Longman Dictionary of contemporary English)
このような起源を持ち、辞書で上記のように説明されているように、Serendipityとは、単なる 発見した"幸運" や "偶然" ではなく、発見する「能力」を指している。
セレンディピティは、失敗してもそこから見落としせずに学び取ることができれば成功に結びつくという一種のサクセスストーリーとして、また科学的な大発見をより身近なものとして説明するためのエピソードの一つとして語られることが多い。
一方、A.L.Strauss,B.G.Glaserらは、彼らのGround Theoryにおいて、社会学の方法として予期しない特異な戦略的なデータが既存の理論の延長または新しい理論の創造の機会になることを観察された経験から、SerediptyはSerendipty patternとしてイデアの構築に役立つとされている。
また、R.K.Mertonらは、”The Travels and Adventures of Seredipty" (Princeton: Princeton University Press, 2003)で、 ”Serendipty"という造語がつくられてた起源と用途の跡をたどっている。そのなかで、 Serendiptyを目的をもった発見と経験的または、予知能力とを並列させた科学的手法として発展させている
なお、Serendipityについての引用文は、以下のものが参照になる。
"In the field of observation, chance favors only the prepared mind." Louis Pasteur
"Serendipity. Look for something, find something else, and realize that what you've found is more suited to your needs than what you thought you were looking for." Lawrence Block
"The most exciting phrase to hear in science, the one that heralds new discoveries, is not 'Eureka!', but 'That's funny …'" Isaac Asimov
"In reality, serendipity accounts for one percent of the blessings we receive in life, work and love. The other 99 percent is due to our efforts." Peter McWilliams
"Serendipity is looking in a haystack for a needle and discovering a farmer's daughter." Julius Comroe Jr.
"Serendipity is putting a quarter in the gumball machine and having three pieces come rattling out instead of one—all red." Peter H. Reynolds
"--- you don't reach Serendib by plotting a course for it. You have to set out in good faith for elsewhere and lose your bearings ... serendipitously." John Barth, The Last Voyage of Somebody the Sailor
"Serendipity is the art of making an unsought finding." Pek van Andel (1994)

Serendipityを新たな出来事を発見する科学的な手法としてとらえていきたい。
人が、全く違った出来事を予見または発見するには、人の認知と思考にヒントがあるように思える。
以下の参考文献を今後読んでみる。
Robert K. Merton, Elinor Barber: The Travels and Adventures of Serendipity: A Study in Sociological Semantics and the Sociology of Science. Princeton University Press, 2004. ISBN 0-691-11754-3. (Manuscript written 1958).
Patrick J. Hannan: Serendipity, Luck and Wisdom in Research. iUniverse, 2006. ISBN 0-595-36551-5
Royston M. Roberts: Serendipity: Accidental Discoveries in Science. Wiley, 1989. ISBN 0-471-60203-5
Pek Van Andel: "Anatomy of the unsought finding : serendipity: origin, history, domains, traditions, appearances, patterns and programmability." British Journal for the Philosophy of Science, 1994, 45(2), 631-648.

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