堀江健一の研究日誌
「チャンス発見の二重螺旋のプロセス」はヒトとコンピュータとのインターラクションを通じてチャンスに結びつく新たなシナリオを創出するプロセスである。実務における事例に適用するために、プロセスのデザインや使用するツールの選択・改善を行い、新たなシナリオを創出できるシステムのデザインを研究している。
Thursday, September 21, 2006
メタ認知の実験準備
O先生からのメールで、メタ認知の実験準備が進められた。
今回の実験は、お酒や絵画などを対象に、最初に参加者が自分の気に入った対象物について語り、その文章をKeyGraphにて解析し、その解析結果を天井から床に投影する。投影したKeyGraphのノードに現れた対象物の名前のところに、実物を配置する。参加者は、対象物の実物を様々な角度から見ながらKeyGraphの解析結果を解釈し、その解釈や想起された内容について参加者と意見を交換する。その意見を再度KeyGraphにて解析し、参加者個々人の意見交換から認知された内容を改めて解釈することによりメタ認知が行われるとのことである。
KeyGraphはいままでPC画面上のものだけだったが、天井から投影し、実物を観察するという3次元空間で参加者が投影されたKeyGraphの図の中を動きながら解釈するというのは、非常に新規性がある。また、動き回ることにより、今までの目だけでなく、手足や頭の感覚を含めることにより感覚が鋭くなり、新たな認知が可能になることが期待される。
楽しみである。
Tuesday, September 19, 2006
台湾に着任
9月15日に正式に台湾の総経理として着任しました。
当日は、台風13号の影響で、雨模様でした。
従業員への正式な挨拶が、19日の交代式で行われますので、その時から正式に総経理として認知されると思います。
当日は、早速現地日本人駐在員からの歓迎を受け、焼肉屋で食事をしてから飲みにいきました。
台湾には、日本文化が好きな「ハーリーズ」という人種が多くいるので、世界一親日派の多い国と思える。
17日(日)は、米系台湾企業の総経理と一緒にゴルフをして、台湾の事情を聞いた。
台湾は、中国人の特性で個人主義な部分が強く、あまり組織的な動きができない。また、オーナー系企業が多いため、トップとの人脈形成が必要であるとのことであった。
組織として社員をまとめるには、明確な方向性と具体的な指示を細々と繰り返し行い、教育していく必要があるとのことであった。
これから、本格的な組織運営に着手すにあたり、非常に参考になる助言を頂いた。
また、彼が大手企業の上層部の人脈を持っているので、紹介もいただけるとのことで、台湾のネットワーク構築に着手できそうである。
一方、住居もおおよそ候補が決まり、2週間以内に決定できそうである。台北101に近く、台湾大学へも車で20分くらいである。台湾大学では、プールなど、校外者でも利用できるとのことなので、利用してみたいと思う。
Sunday, September 10, 2006
久々の研究室
昨日は、久々に研究室に顔を出した。
すでにK大のI君とO先生が改良した紙芝居ツールの議論をしていた。どうやら、今までのツールにはバグがあったようで、その修正に加え、あらたに特化係数を用いて、文章内の頻度は少ないが特徴ある上位単語からKeyGraphでグラフ図を形成する機能を加えたとのこと。また入力データ数も増やせるようにしたようである。これで、実務の実験に使える可能性が出てきた。
その後、O先生とStanford大学のR教授やOlin大学のO教授との共同研究を進めるために、今までの研究成果を2又は3件の論文にまとめ直し提示することになった。米国の大学ではAcademicな研究であっても実業界で応用が利かない研究は最近評価が低いようで、今後は実務に応用できる研究にも力を入れたいとのことであった。
現在、特許をM氏が開発したHuman Interactive Annealing手法で解析し、その解析に基づいて新たな特許技術のアイデアを創発させる手法を研究している。
しかし、ものづくりの研究としては、技術とマーケットのニーズを結びつけることが必要である。この両方を取り入れたプロセスを確立しなければならない。そのため、市場調査データの解析にも着手し始めた。
最終的にプロセスの開発後に創発されたアイデアやシナリオを具現化した製品に落としこむ作業の中での評価方法についても検討が必要である。
この評価方法については、先行研究を改めて調査したいと思う。