赤ノードの表示タイミング
KeyGraphにおいて、黒ノードは頻出単語であり、黒ノードと黒リンクの塊(島:Island)は、データ内部の主張や主要な事象や概念である。頻出頻度は少ない単語は、赤ノード(橋:Bridge)として現れるが、この島の概念と概念とを結び関係を示す役割を持つ。
頻出頻度が少なく稀な単語であるが、既存概念間の関係を示す重要な役割を持つと共に、最近の実験では、ヒトの頭にある断片的で散在している知識、経験、関心などを再構築し、新たな関係、すなわち新たな概念や新たなシナリオとして創出させる役割も持つ。
この稀で重要な単語が、新たなシナリオを創出させる契機となる実験は既にあるが、その契機となるには、赤ノードを示すタイミングが重要であると考えられる。
Eris Ozgurらの研究では、デザインを考察中に適切な質問を行い、デザイナーに気付きを与え、新たなデザインのアイデアを創出させる手法がある。
従来の手法ではデータをKeyGraphで処理後、可視化したシナリオマップを全て表示するだけである。
その場合、被験者の経験、知識、関心、専門分野の違いにより、シナリオマップを解読できない被験者が現れる。そのような状態では、グループディスカッションが活発化されず、関心が高まらない為、新たなシナリオが創出されない。
我々は、被験者のプロファイルに応じて、KeyGraphのデータ処理後のシナリオマップの表示の仕方を工夫し、最初は頻出頻度の多い概念を示す黒ノードと黒リンクの島を数個示し、徐々にその概念間を結ぶ赤ノードを表示して、関係を理解させる。次に、島の数を少しづつ増やし新たな概念を追加し、その後に赤ノード増やして、概念間の関係を理解させるという手法を考察した。
このように、関心が高まり分類が出来るようになると、次に示した判断基準を起点に概念の削除・追加や組み換え、更には判断基準を変えて概念間を新たな関係で結びつけるような創発性が生まれる。
すなわち、ヒトが創発性を生み出すには、そのような概念の組み換えを行う基準などのいくつも存在する起点を探し出す能力が必要であると思います。
我々は、文脈の関係を解釈し、関心を高めることにより、その判断基準や起点を探索させる動機を高め、注意力を向上させた上で、判断基準や起点となる赤ノードやデータに存在しないが、概念間を結ぶ可能性が高いダミーノードを示し、概念の削除・追加、組み換え、又は判断基準や起点となる赤ノードの交換を行わせ、新たな概念を創発させる手法を提案します。
具体的な、実験を行い、一つずつ確認しながら、手法の修正を加えて完成させたいと思います。
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