Monday, March 27, 2006

「みんなの意見」は案外正しい

先日、一橋大学大学院 米倉誠一郎教授とベンチャー企業の社長を交えたゴルフコンペがあり、そのパーティの席で最面白い書籍の一冊として紹介を受けました。
James Surowiecki著 「みんなの意見」は案外正しい(英語タイトル:The Wisdom of Crowds) 小高尚子訳 角川書店 2006年1月です。
まだ読みはじめですが、賢い集団の特徴は、四つの用件を満たしているとのことです。
1.意見の多様性:それが既知の事実のかなり突拍子もない解釈だとしても、各人が独自の私的情報を多少なりとも持っている。
2.独自性:他者の考えに左右されない。
3.分散性:身近な情報に特化し、それを利用できる。
4.集約性:個々人の判断を集計して集団として一つの判断に集約するメカニズムの存在

また、組織論のJames G. Marchは、「平均的な新メンバーが持っている優れた知識から集団のパフォーマンスが向上するのではない。新メンバーは、大体において前任者ほど知識を持っているわけではない。この効果は、彼らがもたらす多様性から生まれる」と提唱している。
この考えは、K氏の最近研究している「アホ学」、すなわち、「優秀なメンバーに一人のアホを入れると議論が活発化し、創発性促す」という発見の本質を示していると思える。
一方、ウォートン・ビジネススクールのJ.Scott.Armstrong教授は、「専門知識がもたらす決定的な優位性を示す研究は存在しない。専門性と正確性に相関は見られない」という結論に達したと述べています。

この記述は、新たな有用なシナリオを創発させるには、二重螺旋のプロセスでKeyGraphを使用するだけでなく、多様性、独立性、分散性、集約性を保持するグループの関与が必須であるという重要な示唆を含んでいる。

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